夏が巡ってくる

「6月の雨に打たれたら好奇心が流れ落ちた」

こんなことを言ったら鼻で笑われるだろうか。
ゲームもギターもTwitterも、全部面白そうに感じない。
天気予報を見るたびに気が滅入る。
梅雨のせいにして部屋に籠る。
自分の屑さに呆れていた。



代り映えのしない毎日に嫌気が差した。
自分のダメさに辟易した。
こんな気持ちを何かのせいにしたくて、鬱だと言って蓋をする。
正気のふりのふりをして、でかい墓石みたいな大学に久しぶりに足を運ぶ。



心配してくれる友人に
「どうしてこんな屑の相手してくれるの」
って言おうとしたけど、つまらなそうだからやめた。
人の話聞いてるのかって何度訊かれただろう。
聞きたくないわけじゃないんだ。
ただ興味が持てないだけで。



生きているのはつまらないけど、死にたくなるほどつらくもない。
宙ぶらりんでただただ過ごす。
これはこれで贅沢なのかもしれない。




もう少し足掻いてみよう。
太陽の熱気に踊らされながら。
理想の夏が蜃気楼だとしても。



今年もまた、
夏が巡ってくる。